青空文庫を秀丸エディタで読む際の設定とマクロ

秀丸エディタの縦書き表示設定と青空文庫のテキストからルビと注記を削除する秀丸マクロの紹介です。(秀丸エディタVer.8.83使用)

青空文庫はブラウザやソフトで本と同じようにルビや注記が展開された形で読む事が可能です。青空文庫のサイトで読み方として紹介されているので、ご存じ無い方は参照してみてください。

秀丸で作業していて、ふっと息抜きをしたくなった時にマーク一覧から開いて読み、また栞がわりにマークして元の作業に戻る、そんな使い方をしたくてこのマクロを作ってみました。


青空文庫用マクロの概要

マクロ実行後のイメージです。(2つあるタブのそれぞれを選択した際の画像を並べたものです)

test.vtxt は青空文庫のルビと注記を含むテキストで、単に拡張子を txt から vtxt に変更したものです。aozora.hilight という強調表示定義ファイルを適用しているので、ルビが強調表示1に設定した色、注記が強調表示2に設定した色で表示されています。また色を背景色に近いものに設定しているので分かりづらいですが、左矢印で改行文字が表示されています。

test[-].vtxt は aozora.mac というマクロを test.vtxt 上で実行して生成したテキストファイルです。 aozora.mac はすでに test[-].vtxt が秀丸で開かれていればそれを、そうでなければ同じフォルダ内の test[-].vtxt を開き test.vtxt とスクロール同期させます。test[-].vtxt ファイルが同じフォルダに無ければ test.vtxt からルビと注記を削除し、削除した文字数分の空白を改行の前に挿入した内容で生成し、 test.vtxt とスクロール同期させます。

test[-].vtxt 上でマクロを実行した場合は test.vtxt とスクロール同期させます。もし同じフォルダに test.vtxt が無ければ、その旨のエラーメッセージを表示してマクロが終了します。

読書の際には test[-].vtxt を開き、マクロを実行して test.vtxt とスクロール同期させて、改行前に空白の入っている文があればルビ又は注釈が削除されているので、もし確認したい場合にはtest.vtxt の方で確認するという形になります。


マクロファイルのダウンロード

秀丸のサイトのマクロライブラリに登録しているので以下より aozora_mac.zip をダウンロードしてください。

https://hide.maruo.co.jp/lib/macro/aozora_mac.html

zipを解凍すると、以下のファイルを含む aozora_mac フォルダが生成されます。

  • aozora.hilight
  • aozora.mac
  • test.vtxt
  • 使用法.txt

ソースはGitHub Gistにも置いています。

https://gist.github.com/kikujin/1df7ec2e1e1197df48fd7a8837417fa6


縦書き設定

最初に拡張子 vtxt を秀丸に関連付けます。 設定方法はこちらを参照してください。

秀丸エディタへの拡張子の関連付け - 藤納戸(#706CAA)のブログ

関連付けが終了したら test.vtxt を秀丸で開いて縦書き設定を行います。

[メニュー]→[その他]→[ファイルタイプ別の設定]

表示されるダイアログの[.VTXTの設定]の右のドロップダウンリストで[共通]が選択されています。このドロップダウンリストに表示されるのが、設定の一覧です。拡張子ごとに任意の設定を選択できます。

拡張子 .vtxt に対応する適切な設定はまだ設定リストの一覧に無いので、"縦書きファイル"という名前の設定を新規に作成します。

まず[設定のリスト]をクリックし、表示される[設定のリスト]ダイアログで[新規]をクリックします。[新規設定]のダイアログが表示されるので、"縦書きファイル"と入力して[OK]をクリックし、[設定のリスト]ダイアログも閉じます。

次に[共通]となっていたドロップダウンリストで[縦書きファイル]を選択します。以降は[縦書きファイル]に対する設定となります。

[設定の対象]で[フォント]を選択し、縦書き表示する際のフォントとフォントサイズを好みに合わせて設定します。(このページで紹介している青空文庫マクロを適用する場合には、ルビ《》と注記[#]を取り除く際にその行末に取り除いた分の半角スペースを挿入しているので、等幅フォントを使用する必要があります)

[設定の対象]で[体裁]を選択し、折り返し文字数を設定します。これは秀丸のウインドウサイズやフォントサイズに合わせて設定します。

[設定の対象]で[体裁]の[詳細]を選択し、[縦書き]にチェックを入れ、[行間]はいろいろ試してみて読みやすい値に設定します。

[設定の対象]で[デザイン]の[表示]を選択し、[改行文字を記号で表示]にチェックを入れます。(このページで紹介している青空文庫マクロを適用しない場合には必要ありません)

[設定の対象]で[デザイン]を選択し、[改行文字]にチェックを入れ、あまり目立たないように色を背景色に近いものに設定します。(一つ前の設定で[改行文字を記号で表示]にチェックを入れた場合にこの設定を行います)

[設定の対象]で[デザイン]を選択し、[場所の一覧]をスクロールすると下の方に[強調表示1]及び[強調表示2]があるので好みの色に設定します。(このページで紹介している強調表示定義ファイルを適用しない場合には必要ありません)


マクロと強調表示定義ファイルの適用

最後にマクロファイル及び強調表示定義ファイルの設定を行います。やり方は以下を参照してください。(.vtxt ファイルに適用する"縦書きファイル"という設定の作成部分がこのページのものと重複しているのでスキップしてください)

秀丸マクロと強調表示定義ファイルの設定 - 藤納戸(#706CAA)のブログ